クレイン日記


図書出版クレイン の日々の記録
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小堀令子さんのお話を聞いてきました

1月25日の日曜日に、現在、府中市美術館で開催中の「小山田二郎展」の関連イベントとして、小堀令子さんが、小山田二郎氏との生活について話されるとのことで、その場に参加してきました。

小堀令子さんは、1971年から20年間、小山田二郎と生活を営まれていました。その時の体験を学芸員の質問に答えるという形で紹介されました。小堀令子さんが、20代後半、小山田二郎は57歳のことでした。

小山田二郎と小堀令子さんとの関係は、遠い親戚関係で、令子さんが中学生の頃から知り合いだったそうです。
まさか一緒に暮らすとは思いもよらなかったでしょう。ましてや小山田二郎が妻子を残して失踪したというんですから。
そうした経緯や、小山田二郎がウェバー症候群という難病のせいで、下唇が腫れあがり顔中に痣が浮かぶようになったこともあり、しばらくの間、狭いアパートの一室での隠棲生活を送っていたとのことです。

それはつらい時代だったのでしょうと想像してしまいますが、小堀令子さんのお話は、そんなことはみじんも感じさせない、楽しくて思い出深い一時期であったということでした。

ときに中核派に間違えられたりするほどだったようですが、そんな生活の中でも、小山田二郎が語った言葉として紹介された、次の言葉がひじょうに印象に残りました。

「中にいても外を見ることはできる」

そう、出歩かなくても、ただ、近くを徘徊するだけでも世界を感じることはできるということだと思います。
また事実、小山田二郎は、観察眼の鋭い人だったようです。

この言葉を聞いて、吉本隆明だったかの言葉を連想いたしました。

「井の中の蛙は井の外に幻想を求めるから、井の中に居ることになるのである。幻想を求めなければ、井の中にいることは井の外と繋がっているのだ」

小堀令子さんのお話を聞きながら、そんな言葉を頭の中をめぐらしておりました。
令子さん、どうも楽しい時間をありがとうございました。

追伸
小堀令子さんは、ご自身も画家です。そしてまた、先日お亡くなりになった小堀鈴子さんの実姉です。
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by cranebook | 2015-02-02 17:27 | 雑感
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