クレイン日記


図書出版クレイン の日々の記録
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by cranebook | 2016-01-15 17:03 | 雑感

今年もよろしくお願いいたします。

 2016年もはや半月が過ぎました。
 現在は、新刊の準備作業で日々ゲラを読んでいるところです。
 今年最初の刊行本『金達寿論』のゲラなのですが、私自身が学ぶことが多い内容です。特に彼の古代史研究にも触れている本書は、金達寿に関する待ち望まれていた論考とも言えるはずです。
 どうぞご期待下さい。

 つぎに『抗路』2号の準備が始まっています。先日は、井筒和幸・佐高信・パク・キョンナムの三氏による鼎談も行われました。これまたどうぞご期待ください。

 ご挨拶が遅くなりましたが、今年もみなさま、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
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by cranebook | 2016-01-15 16:51 | 雑感

「戦後日本語文学と金石範」シンポジウム

11月8日(日曜日)に現内閣総理大臣の出身大学である成蹊大学に行ってきました。在日朝鮮人作家・金石範氏の済州島四・三事件を描いた大作『火山島』の復刊記念シンポジウム「戦後日本文学と金石範」に参加するためです。当日はクレインの本の販売もさせていただきました。なにしろ成蹊大学といったら、事務所と同じ吉祥寺にあるのですから、行かないわけにはまいりません。
それに、この成蹊大学というところで、冷戦の最たる悲劇を描いた超大作の著者と著作を囲むシンポジウムが開かれるというのですから、痛快じゃないですか。

さて、当日のシンポジウムは、300人を超える参加者で盛況でした。また、懐かしい顔ぶれ、思いがけない方々ともお会いしました。ええ、なんでここにあなたがいるの、という感じで驚きました。金石範文学の読者だったなら、もっと早く言ってくれていればよかったのに、と少し残念な気もしましたが、当日にお会いして、そのことを知っただけでもよしとしましょう。

それにしても今年90歳を迎える金石範氏のお元気なこと。シンポジウム最後のご本人のご挨拶を書籍販売コーナーから写してみました。
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あと、『火山島』は日本で復刊(オンデマンド)されただけでなく、タイミング良く韓国語版が刊行されました。この大作が日韓両国の人たちに読まれることを期待しています。

本当のところ、日本での復刊がオンデマンド版であることは残念です。
オンデマンドは注文生産印刷なのですが、やはり1000部でよいので、あらかじめ印刷して、少しでよいので店頭に並べてほしかったと思います。そうしたことも困難にする、日韓・日朝・在日を取り巻く現況ということでもあるでしょう。それがなににもまして残念なことです。
クレインにその能力があればなあ、『火山島』といわず、そのほかにも現在読まれてよい在日作家の手になる小説はあまたあるのですが……。

それにしても函入りの文藝春秋版を初めて読んだのは、もう、かれこれ35年ほど前のことになるんですね。どうりで私も歳を取りました。

主催された実行委員会のみなさま、どうもお疲れさまでした。
また、場所を提供された成蹊大学、なかでもアジア太平洋研究センターのみなさま、感謝申し上げます。
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by cranebook | 2015-11-09 12:13 | 雑感

10月に入りました。

 はやいもので、もう10月です。
 第1回日本翻訳大賞の授賞式から、すでに半年が経過しました。
 それを記念して弊社のツイッター・フェイスブックの絵柄は受賞作「カステラ」になっていますが、まだそのままにしておきます。今年中はそのままだと思っておいてください。それに代わるすごい出来事が起これば別ですが(フフフ)。

 さて、次回の翻訳書はなにを用意しているのかと、よく聞かれますが、特に用意はしておりません。なにしろ、一冊刊行するだけでたいへんですから、ましてや翻訳書ともなると、まとめるのに時間がかかります。良書との出会いを期待してしばらくおとなしくしておきます。いずれ向こうからやってくるでしょう。

 あとは、増刷情報です。アサーション関係のロングセラー『それでも話し始めよう』(アン・ディクソン著)の4刷が今月の半ばにできあがります。
 この世に生きるためには、なんだかんだといっても円滑な人間関係が必要です。
 円滑な人間関係と、良好な対人関係をつくる上でのちょっとした参考としてぜひお読みいただければ幸いです。

 では、今月もよろしくお願いいたします。
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by cranebook | 2015-10-05 11:21 | 雑感

参議院特別委員会での強行採決を見る

 2015年9月17日、強行採決をネットで見る。
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by cranebook | 2015-09-17 16:45 | 雑感

小堀令子さんのお話を聞いてきました

1月25日の日曜日に、現在、府中市美術館で開催中の「小山田二郎展」の関連イベントとして、小堀令子さんが、小山田二郎氏との生活について話されるとのことで、その場に参加してきました。

小堀令子さんは、1971年から20年間、小山田二郎と生活を営まれていました。その時の体験を学芸員の質問に答えるという形で紹介されました。小堀令子さんが、20代後半、小山田二郎は57歳のことでした。

小山田二郎と小堀令子さんとの関係は、遠い親戚関係で、令子さんが中学生の頃から知り合いだったそうです。
まさか一緒に暮らすとは思いもよらなかったでしょう。ましてや小山田二郎が妻子を残して失踪したというんですから。
そうした経緯や、小山田二郎がウェバー症候群という難病のせいで、下唇が腫れあがり顔中に痣が浮かぶようになったこともあり、しばらくの間、狭いアパートの一室での隠棲生活を送っていたとのことです。

それはつらい時代だったのでしょうと想像してしまいますが、小堀令子さんのお話は、そんなことはみじんも感じさせない、楽しくて思い出深い一時期であったということでした。

ときに中核派に間違えられたりするほどだったようですが、そんな生活の中でも、小山田二郎が語った言葉として紹介された、次の言葉がひじょうに印象に残りました。

「中にいても外を見ることはできる」

そう、出歩かなくても、ただ、近くを徘徊するだけでも世界を感じることはできるということだと思います。
また事実、小山田二郎は、観察眼の鋭い人だったようです。

この言葉を聞いて、吉本隆明だったかの言葉を連想いたしました。

「井の中の蛙は井の外に幻想を求めるから、井の中に居ることになるのである。幻想を求めなければ、井の中にいることは井の外と繋がっているのだ」

小堀令子さんのお話を聞きながら、そんな言葉を頭の中をめぐらしておりました。
令子さん、どうも楽しい時間をありがとうございました。

追伸
小堀令子さんは、ご自身も画家です。そしてまた、先日お亡くなりになった小堀鈴子さんの実姉です。
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by cranebook | 2015-02-02 17:27 | 雑感

小堀鈴子さんが亡くなりました。

2015年1月16日の未明に、小堀鈴子さんが亡くなりました。
小堀さんは武蔵小金井で「風びゅんびゅん」という名前のカフェバーを経営されていました。
私は、よくそのお店に通ったものです。お店は、今年で15周年のはずでしたが、小堀さんの体調が昨年の夏頃から思わしくなく、
結局、昨年末で閉店となりました。

さて、私はそのお店で多くの人たちと出会いました。そして楽しい思い出をたくさんいただきました。
そこでは、老若男女が、まさに袖擦れ合うも多少の縁、という感じで知り合いになっていくんです。そしていつのまにか友人になっている。
「風びゅんびゅん」は、そんな出会いを用意してくれる貴重な場でした。
そんなお店の魅力の源は、なんといっても小堀鈴子さん自身の魅力でした。
彼女は、ゆっくりグラスを傾けながら、妥当な距離感でカウンターの私たちに二言三言と話しを継いでいきます。
こちらは、それに相づちをうつもよし、違う方向に話しを展開するもよし、そして、なんとなく気持ちのよい気分になっている。

そんなことが私には何度あったことでしょう。

小堀さん、気持ちのよい時間をどうもありがとうございました。
安らかにお眠りください。
先にそちらの世界に旅立たれた人たちと、ゆっくりとグラスを傾けながら楽しい時間をお過ごしください。
いずれまたお会いいたしましょう。

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by cranebook | 2015-01-19 16:04 | 雑感

2014年もありがとうございました。

12月26日の業務をもちまして、2014年の業務が終了いたしました。
みなさま、この一年間どうもありがとうございました。
次から次へと刊行するという状況にはございませんが、来年も地道に進んでまいりたいと思っておりますので、なにとぞご支援のほどよろしくお願い申しあげます。
なんといっても来年は、戦後70年、日韓国交正常化から50年の節目の年です。
そんな偶然に巡りあったのですから、その節目の年にふさわしい刊行物を出版したいと考えております。
どうぞご期待ください。

図書出版クレイン
文弘樹

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by cranebook | 2014-12-27 08:09 | 雑感

山口文子さんを新宿ゴールデン街で偲びました

昨夜、2014年11月19日に新宿のゴールデン街にある「メガンテ」というお店で、山口文子さんを偲ぶ少人数の集いがありました。
ここ「メガンテ」のママさんは、いまは亡き男優・草野大悟さんの妹さんで、ゴールデン街で15年営業をされています。
みなさん、お近くに行かれましたら、ぜひお立ち寄りください。場所はリンクした地図でじっくり探してみてください(笑)。

さて、もう、かれこれ3年ほど前になりますでしょうか。山口文子さんと編集者の野中文江さんと、私の3人でこの店で飲んだのは。この3人の集まりを「三文会」と名付けてくださったのは、野中さんでした。ほんとにグッドネーミング。さしずめ「三文文士」ならぬ「三文編集者」の集まりといったところでしょうか。
いずれまた、ここで3人でお会いしましょうと、別れてから、その機会は山口さんの死で不可能になりました。

昨夜は、山口さんの思い出話などで、充実した時間をいただきました。ガンの発見から治療期間の容態のことなど、私の存じ上げない事柄に驚くやら、納得するやらで、あっという間に時間が過ぎていきました。山口さんは、私には、応援のお言葉を折に触れて与えてくださいましたが、昨夜はその語り口を喚起することしきりでした。

山口さん、昨夜は楽しかったですよ。そんな時と場をいただき、ありがとうございました。
では、さようなら、またいずれ。

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by cranebook | 2014-11-20 18:28 | 雑感

山口文子(深沢夏衣)さんを偲ぶ会に参加してきました。

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2014年9月28日に、市ヶ谷の私学会館でおこなわれた「山口文子さんを偲ぶ会」に参加してきました。総勢60人ほどのアットホームな会でした。参加者の中には見知った方々もおられ久しぶりの再会の場ともなりました。
ここで簡単に山口文子さんのプロフィールをご紹介します。1943年生まれの在日朝鮮人二世。1973年~1981年にかけて在日問題を扱う雑誌『まだん』『ちゃんそり』に創刊者として関わり、1992年に「夜の子供」によって第23回新日本文学特別賞受賞。同作が、同年、講談社から単行本として刊行。ペンネームを深沢夏衣とする。2008年には在日女性文芸誌『地に舟をこげ』編集。そして2014年3月24日に逝去、享年70歳。

さて、当日は、山口文子さんが作家・深沢夏衣として小説家デビューするきっかけとなった「夜の子供」を新日本文学賞の特別賞に選考した、作家の小沢信男さんのお話しから始まり、詩人・高良留美子さん、そして、山口さんが実質的な編集長であった、『地に舟をこげ』の編集メンバーからの思い出話などを通して、山口さんを偲びました。それぞれがとても心暖まるお話で、山口さんのお人柄を感じることのできた時間でした。

そう、山口さんは、とても気配りと思いやりのある優しい女性だったのです。と同時に、その胸中にはたいへん強靱な意志を抱えておられたことも、改めて確認することができました。

ところで、私が山口さんと知り合ったのは、『金鶴泳作品集』の刊行がきっかけでした。生前、山口さんは金鶴泳ともお会いされたことがあり、またその小説の愛読者でもありました。山口さんが金鶴泳の作品集の刊行をとても喜んでいると、ある方を通じてお聞きし、そしてお会いすることなったのです。新宿にあった韓国料理店の「パランセ」でのことでした。金鶴泳との思い出や、ご自身の来し方のことなどをお話してくださいました。
それだけでなく、ご自身が中心的に関わってこられた『まだん』『ちゃんそり』などについて、その雑誌の成り立ちや編集時のエピソードなどお話は尽きませんでした。

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それをきっかけにして、たまにお会いしては一杯飲んでいたというのが、山口さんとのそれからのお付き合いでした。いつも忘れたころにお便りや電話をいただくんです。東京新聞にクレインのことが載っていたわよ、とか、在日の女性で新しい書き手は知らないですか、とか、今度お会いしたときにでもお話聞かせてくださいね、とか。つまり、お気遣いしていただいていたんですね。頑張って続けているんだろうかと、心配でならなかったのでしょう(笑)。

山口さんは、お酒がお好きでした。なにしろ飲み方が美しいんです。私と知り合った頃は、そんなに量をお飲みになることはなかったのですが、グラスを傾ける仕草の素敵だったこと。そのお姿が、いまでも印象に残っています。

さて、会場では、山口さんのそれぞれの時期のお写真が飾られていました。なかでも、1965年の日韓会談反対闘争に参加されていた頃のお写真はたいへんすばらしいものでした。在日朝鮮人であることの葛藤のなかで、もぎ摑もうとあがき続けたご自身の進むべき道筋を、ようやく手に入れたとでも言わんばかりの自信にあふれている一枚です。
最後にそのお写真を紹介させていただきます。
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それでは、山口さん、お元気で。

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by cranebook | 2014-09-29 12:39 | 雑感