クレイン日記


図書出版クレイン の日々の記録
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by cranebook | 2014-08-04 12:19 | 佐藤泰志関連

『週刊 金曜日』の取材を受けました

 本日、佐藤泰志ブームについて『週刊 金曜日』の取材を受けました。ブームといわれても、私がつくったわけではないのですが、『佐藤泰志作品集』がブームの起点になっているのは、厳然たる事実ですので、快くお引き受けいたしました。なにしろ、あの『週刊 金曜日』ですから、他誌とは違った切り口で佐藤泰志を取り上げるだろうと思っていましたから、のっけから私も饒舌になりました。つまり、このブームによって、結局だれが喜んでいるのか、ということです。

 佐藤泰志はこの世にいないわけですから、墓場から見ているとしても、喜んでいるのかどうかはわかりません。私はそれについては否定的です。では、ご家族はどうか。これまた喜ぶというものではないでしょう。自死した夫、父親とあらためて向き合う上で、作品集や映画が、彼、彼女たちに果たした役割はあるでしょうが、その限りではないでしょうか。

 では、誰が。そうなんです。出版社と映画会社だけなんです。実際のところ作品集も思っていたよりも売れましたので、それについてはただただ感謝です。映画の興行収入も「海炭市叙景」については、大もうけとはいきませんが、一定の収益は上がったでしょう。また「そこのみにて光輝く」は好評のようです。

 そのことはそのこととして認識いたしますが、結局は、死後も佐藤泰志作品が商業主義に毒されているということです。そんなことを本日、取材を受けながら感じていました。
 
 さて、もうそろそろブームは終わりましょう。もう十分じゃないですか。あとは、ほぼ全ての作品が文庫化されたいま、それを手に取った読者のみなさんに、末永く佐藤泰志の小説が読まれ継がれることを、ただただ願うばかりです。

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by cranebook | 2014-05-16 18:34 | 佐藤泰志関連

佐藤泰志原作・映画『そこのみにて光輝く』完成イベント

 4月5日の土曜日に国分寺のLホールにおいて、佐藤泰志原作映画『そこのみにて光輝く』の完成記念イベントが開かれ、130名の方に参加していただきました。
主催者は、佐藤泰志の高校の後輩や、大学時代に佐藤泰志と同人誌を作っていた友人等がメンバーの「泰志会」です。
 4年前の2010年の10月には、同じ場所で同じ主催者で佐藤泰志原作の映画『海炭市叙景』完成イベントが開かれましたので、二度目の映画完成イベントということになります。
 当日は、稲塚秀孝監督の『書くことの重さ 作家 佐藤泰志』が上映され、その後『そこのみにて光り輝く』の呉美保監督と、稲塚監督のトークショーという内容で、あっという間の3時間でした。また、休憩時間には『そこのみにて光輝く』の予告編が上映され、参加された人たちの関心を高めていました。
 映画は4月19日からテアトル新宿を始め全国30館で上映されます。
 ぜひ、機会をつくってご鑑賞ください。そして、佐藤泰志の小説への興味をお持ちいただくことができましたらうれしく思います。
 気がつけば、『佐藤泰志作品集』に収録されている2作品が映画化されることになりました。幸せなことです。


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by cranebook | 2014-04-07 18:08 | 佐藤泰志関連

「そのこみにて光輝く」公開が迫ってきました

 佐藤泰志原作の映画「そこのみにて光輝く」の公開がいよいよ迫ってまいりました。4月19日(土)ロードショーです。公式HPも迫力があり、とても楽しみですね。
 楽しみを先に見据えつつ、映画に負けないように『佐藤泰志作品集』も販売いたします。ぜひ、みなさまよろしくお願いします。
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by cranebook | 2014-01-31 12:35 | 佐藤泰志関連

函館のイベントから戻りました

 11月3日に函館でおこなわれたイベント「佐藤泰志の復活と映画『海炭市叙景』を語る」から戻ってきました。とりいそぎ報告をさせていただきます。

 当日は、好天のもと100名近くの方々にご参加いたたきました。それにしても函館は暑かった。寒いであろうと思いジャケットの下にセーターを着ていったのですが大失敗でした。セーターはその日の夜でお役ご免となりました。

 さて、到着してすぐに、佐藤泰志のお墓に参りました。翌日には実行委員会の方々とご一緒に墓参する行程が組まれていたのですが、私は朝早くの出発でしたので、一人参ったわけです。タクシーを飛ばしたのですが、運転手さんも当日のイベントについてご存知で、佐藤泰志の墓参りに行くのだというと、「線香」と「ろうそく」は持っているかと聞かれたのには驚きました。商売柄、常に用意しているのだそうです。いやー、おそろしいお仕事ですね(笑)。

 その後、イベント会場のサン・リフレ函館に急ぎ、予定の時間に駆けつけることができました。ロビーでは、できたてほやほやのDVDが販売されておりました。

 主催者のご挨拶の後、さっそく福間健二さんの講演です。福間さんは、繰り返しになりますが、佐藤泰志と青春の一時期を同伴者として過ごされた方です。現在では、萩原朔太郎賞受賞詩人として、有名になっていますが、当時は、佐藤泰志と同様に、自他認める表現者を目指す若者の一人でした。
 福間さんは、そのお話の中で、佐藤泰志の評伝を書こうとして何回も挫折していることに触れ、その準備過程で自らが獲得した視点で小説家・佐藤泰志という人物を分析されました。

 その視点の要諦は二点。一点目は、1967年の羽田闘争を手始めとする、当時の左翼運動に対する佐藤泰志の関わり方のユニークさ。二点目は、精神の不調に悩む佐藤泰志に対する精神科医の治療の仕方の不備が呼び込んだ創作欲の萎縮。
 この二点が複雑に混ざり合って佐藤泰志の小説家としての進み具合を決定づけたということでした。
 それゆえ、自らが自由になる場所へ踏み出すものとして彼の表現活動は存在し、それがためにその表現の核には純粋さがあり、その純粋さを生涯悩みながら彼・佐藤泰志は貫いたのだ、と締めくくられました。

 福間さんには、ぜひ佐藤泰志評伝を執筆していただきたいものです。

 次に第二部のパネルディスカッション→その様子
 パネラーのメンバーは、私、岡崎武志さん、河出の阿部さん、小学館の村井さん、後半からは映画「海炭市叙景」のプロデューサーの星野さん、映画製作実行委員長の菅原さんが加わりました。

 岡崎さんの司会のもと、それぞれが、佐藤泰志作品に惹かれた理由、そして映画の感想などを語り合いました。私は例のごとく、金鶴泳のことに触れながら佐藤作品の魅力について語りました。他の皆さんの語りの内容は、申し訳ございませんが、覚えておりません。それほど興奮していたようです。
 なにしろ、このようなイベントは、本来私が開催するべきものだと考えておりましたが、私の力不足で実現できず、それが函館で実現したのですから、感謝の気持ちで一杯で他の方々の話を聞く余裕がなかったのでしょう。

 また会場には、これまで佐藤泰志作品集を始め、弊社を取材していただいた記者の方々も勢揃いされていました。北海道新聞の大城さん、渡辺さん。朝日新聞の芳垣さん。毎日新聞の中澤さん。皆さんと久しぶりにお会いできたこともうれしかったです。なにしろ、佐藤泰志復活に際して、多くの部分を皆さんに支えられたのは紛れもない事実なのですから。

 3年ぶりの函館でしたが、イベント終了後の懇親会の場では、やはり新しい出会いがあり、楽しい話のオンパレードでした。また今回もエネルギーをいただきました。
 その後、二次会は、函館が誇る文壇バー「杉の子」へ→その様子

 最後に、当日のイベントの実行委員会の皆様、そして映画「海炭市叙景」実行委員会の皆様、ほんとうにありがとうございました。そしてたいへんお疲れさまでした。では、皆様お元気で。
 
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by cranebook | 2011-11-07 11:49 | 佐藤泰志関連

函館の佐藤泰志関連イベント

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 11月3日に函館で、映画「海炭市叙景」のDVD発売記念イベントが開催されます。講演とパネルディスカッションの二部構成ですが、わたしはパネルディスカッションに参加します。他に、菅原和博さん(「海炭市叙景」映画製作実行委員長)、岡崎武志さん(ライター)、村井康司さん(小学館)、阿部晴政さん(河出書房新社)によるディスカッションです。テーマは「佐藤泰志の復活と映画『海炭市叙景を語る』」。

 村井さん、阿部さんは、この間、佐藤作品の文庫化に尽力され、出版界での佐藤泰志の復活に関わってこられました。岡崎さんはもいうまでもなく、佐藤泰志の名前を読書愛好者に伝えた伝道師ともいってよい方です。そのみなさんが一堂に会して、佐藤泰志について語り会うことになります。このような機会を東京でつくりたいと思っていたのですが、わたしの力不足で実現できなかったところに、今回のようなイベントが実現します。ただ、うれしいかぎりです。
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 そして、第一部の講演には、佐藤泰志の旧友であった詩人で映画作家の福間健二さんが登場します。演題は「佐藤泰志の青春と文学」。まさに佐藤泰志と青春を共にした者だからこそ語りうるユニークな内容となることでしょう。

 つい先日、その福間さんが監督をされた映画「わたしたちの夏」を観に行ってきました。様々な出来事の記憶が錯綜する夏という時間の中で、生者が死者を呼び起こします。しかし、じつは死者こそが生者を呼び起こしているのであり、そこでは死者だけが語るべき言葉を持ちうる。そしてその言葉は詩的であるほかない、というメッセージを私はこの映画から受け取りました。この映画は、福間さんの、佐藤泰志へのオマージュにほかならないのではないでしょうか。
 映画はまだ幾日かポレポレ東中野で上映されておりますので、ぜひご覧になってみてください。

 さて、3年ぶりの函館です。滞在時間は少ないのですが、わたしにとってオーラ溢れるこの場所に久しぶりに浸ってきます。

 追伸:今朝、自宅の庭に咲いていた「彼岸花」です。なぜか紹介したくなりました。
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by cranebook | 2011-09-30 12:58 | 佐藤泰志関連

「WASEDA BOOK」で取材されました

 「WASEDA BOOK」というウェブマガジンがあります。写真家、翻訳者、教育者、文筆家などが登場する、おしゃれなマガジンです。その2011年1月号で、「海炭市叙景」の映画化についての私のインタビューが掲載されていますので、ぜひご覧になってみてください。
 「WASEDA BOOK」 
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by cranebook | 2011-01-27 12:39 | 佐藤泰志関連

新年おめでとうございます

 みなさま、2011年おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 新たな出会いを期待して気持ちを一新して臨みたいと思います。

 さて、本日が仕事始めでしたので、年賀状などたまった郵便物を整理していましたところ、横浜の書店チェーン「有隣堂」様の機関紙『有鄰』の2010年1月1日号(第512号)が送られて来ていました。

 その第二面に「佐藤泰志がいた」というタイトルで松村雄策さんが執筆されています。
 松村さんには、『佐藤泰志作品集』に挟み込む栞に一文を寄せていただきたかったのですが、実現しなかった思い出があったものですから、たいへん感慨深く読ませていただきました。

 当紙の編集は、有隣堂出版局の梅田勝さんです。梅田さんからは、昨年の晩秋ごろに、この企画の件を伺い、若干のお手伝いをさせていただきましたが、こうして実際の紙面を拝見するにつけ、その労をねぎらいたくなってきます。またひとつ活字という記録の世界に「佐藤泰志関連記事」が追加されることになったのです。

 ただ、この『有鄰』の入手方法は私にはわかりませんので、有隣堂様のHPをリンクさせていただきます。興味のある方はぜひ連絡してみてください。
 有隣堂
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by cranebook | 2011-01-05 17:45 | 佐藤泰志関連

東京新聞「大波小波」の記事

 2010年12月24日付の「東京新聞」夕刊での「大波小波」に、佐藤泰志作品集と弊社のことが紹介されていました。「文学的事業としての復刊」というタイトルで、水声社が復刊した「小島信夫批評集成」の紹介とともに、取り上げられていたのです。

 「大波小波」には、作品集刊行後ほどなくして、誇るべき復刊であると、激励していただいたことがあります。三年後に再び、このように紹介いただけるとは思ってもみませんでした。
 「海炭市叙景」映画化までの函館市民の皆さんの街頭募金集めを始めとしたご尽力は、まさに「立派な文学的事業である」ということです。

 「大波小波」といえば、多くの作家が匿名で執筆するコラムとして永年にわたって親しまれてきましたし、現在でも親しまれているはずです。現在は、記者の方も含めて多彩な執筆陣だと思いますが、どなたの筆になるのでしょうか。感謝です。
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by cranebook | 2010-12-27 17:36 | 佐藤泰志関連

文學界2011年1月号の小山鉄郎氏の文章

  『文学界』の2011年1月号(旧年中に新年号が刊行される、いつもながらの不思議さはさておき)に小山鉄郎さんが「佐藤泰志『海炭市叙景』をめぐって」という文章を執筆されています。本日発売の号ですが、早速に読ませていただきました。400字で15枚ほどの分量の原稿ですが、とても力のこもった佐藤作品への解説になっていますので、ぜひ一読をお勧めしたく、若干の紹介をさせていただきます。発売当日ですが、小山さんご勘弁ください。

 ここで小山さんは、佐藤文学の核心を「境界線に抗う」ことだと述べられています。様々な視点(悪い奴の視点・若い人たちの視点・ヒロインたちの視点)を持ち込むことで、「ここ」と「向こう」に区切られた境界をつなげる闘いを、文学を通しておこなったということです。
 そして、その闘いは「孤独な闘い」であったが、誰に対しても開かれている「ほんとうのつながり」を求める「本物の闘い」だったという結論で締めくくられています。

 じつは現在、小山さんの書かれた『村上春樹を読みつくす』を読んでいる途中なのですが、佐藤泰志の「境界線」は、さしずめ村上春樹でいうと「システム」になるのではないでしょうか。

 そのほか、佐藤の作品が、彼よりも若い世代に読まれる理由などについても含蓄ある説明をされていますが、それは誌面を通してのお楽しみということで。

 ところで、小山さんは、今回の文章の冒頭で、佐藤泰志作品集刊行に至る私とのやり取りに触れられていますが、四年前に新宿の沖縄料理店で二人で話した思い出は、私にとって大切な記憶です。そのとき、小山さんから協力の申し出をいただいたことも、作品集刊行に向けての大きな動機付けになりました。そのことを忘れるわけにはいきません。

 小山さん、佐藤泰志の再評価はなんとも言えず、うれしいですね。
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by cranebook | 2010-12-07 12:27 | 佐藤泰志関連