クレイン日記


図書出版クレイン の日々の記録
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# by cranebook | 2016-12-01 15:21 | 雑感

藤田嗣治展に行ってきました。

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現在、府中市美術館で開催されている「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」に行って来ました。
府中市美術館には、年に数回は行くでしょうか。けっこう興味のわく企画があって、近郊に住んでいる者としては、重宝しています。とにかく、府中市は財政に余裕があるのでしょう。私の住んでいる小金井市と比べると、美術館の規模と企画の幅が違いすぎます。閉館時間が早いのだけが不満ですが。

そして、今回は藤田嗣治展です。私はなぜか藤田嗣治が好きで、展覧会には何度か訪れています。
彼の描くパリの風景が小気味よくて、観ているとほっとするんです。あとは、南米の女性たちの描写でしょうか。彼女たちの眼差しがとてもいいんですね。etc

ただ、今回は藤田の戦争がの三点をじっくりと観ました。
「アッツ島玉砕」「ソロモン海域に於ける米兵の末路」「サイパン島同胞臣節を全うす」の三点です。
ともに東京国立近代美術館が無期限貸与している作品です。
「玉砕」「臣節を全うす」「米兵の末路」などの作品名からは、たしかに、戦意高揚のための絵画であると考えて間違いないのでしょうが、その絵の前に立ってじっくりと観ると、とくに「アッツ島玉砕」などは、反戦画としても、成立するように思いました。

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発表当時は、観客がこの絵の前で跪いたり、手を合わせたり、などして、絵の中の兵士たちへの哀悼の思いを表したそうですが、そんな中に、戦争の悲惨さを感じ取った観客が幾人かいたのではないでしょうか。もちろん、一方でその絵に刺激されて銃後の守りを固く誓った人々も、また存在したのでしょうが。

そんなことを思いながら、その戦争画の前でしばらく佇んでいました。


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# by cranebook | 2016-12-01 15:20 | 雑感

サムルノリ公演に行ってきました。

 2016年10月23日に、ほぼ20年ぶりに埼玉県日高市の高麗神社に行って来ました。西武高麗駅に降り立ったのも、20年ぶりです。
 高麗郡建郡1300年を記念して、韓国のパーカッショングループ「サムルノリ」の公演を観に行くのが目的でした。メンバー四人のうち三人が創立メンバーという公演は、おそらく日本では最後だろうということもあり、久し振りに高麗神社に足を運びました。

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 「サムルノリ」が高麗神社で講演をするのは、30年ぶりのことです。当時は作家の中上健次などが中心になって招請したと聞いています。
 30年の時を経て、メンバーはすべて老齢、私を含めて30年前に「サムルノリ」公演を高麗神社で観た観客も、ほぼ老齢。そんな時を経て、久し振りに観て聞いた「サムルノリ」の演奏は、往時に負けないダイナミックなものでした。ほんとよくやるわっていう感じでした。なつかしいチャンダン(リズム)を聞くと、やはり自然と身体が動き出します。

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 会場には、かつて一緒に韓国の打楽器を叩き、「サムルノリ」のワークショップに参加していた仲間が、全国から集まっていました。そんな旧友と再会できたのも、うれしいことでした。みなさん、またいつか会いましょう。それまでお元気で。

 チャンゴをはじめ、韓国の打楽器の練習から離れて、ほぼ20年になりますが、老齢の身体にむち打って、たまには叩いてみようかという気にさせてくれました。ひょっとして、五十肩に良かったりして。まあ、そんな冗談はさておき、ほんとに楽しいひとときでした。
「サムルノリ」よ、ありがとう。またいつかどこかで会おう。


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# by cranebook | 2016-11-02 13:15 | 雑感

ラジオ「むさしのFM」に出演しました。

2016年8月19日金曜日に、「むさしのFM」市民の会企画・コーディネート番組「発信!わがまち・武蔵野人」に出演しました。初めてのラジオ出演でしたが、とても楽しい時間で、よい体験になりました。この番組は、武蔵野市で生活されている各分野の人たちに、その活動について話してもらう20分の番組です。
クレインも事務所を吉祥寺に移して、今年で10年目になりますので、私ももう武蔵野人と言ってもよいでしょう。ねえ、そうでしょう。
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当日は、司会の亀井薫さんの質問に答えていく形で進行していきました。
話の内容は、第1回日本翻訳大賞を受賞した『カステラ』のことから、韓国文学のこと、「在日」に関することなどで、気がつけば、あっという間の20分でした。

まあ、私が言いたかったことは、韓国の現代小説がもっともっとここ日本で翻訳されてほしい、そしてそのことが、等身大の韓国理解につながり、それがひいては、日本社会の中での「在日コリアン」の認識の向上に繋がる、という、そのことに尽きます。
なにしろ、たとえ言葉ができない、一度として朝鮮半島を訪れたことがなかったとしても、日本国籍保持者ではないことによって、いまなお在日コリアンは、日本と朝鮮半島の関係の狭間で、生きざるを得ない存在なんです。ですから、日本と朝鮮半島の関係がより良いものになってくれることを希求せざるを得ないでしょう。そのことを伝えたかったんです。
リスナーとして幾人の方がおられたのかはわかりませんが、たった一人の方でよいので、私のこのような思いの一端が届いていれば、それは望外の喜びです。
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私に声をかけていただいた、市民の会のみなさま、そして司会の亀井さん、どうもありがとうございました。よい思い出をいただくことができました。

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# by cranebook | 2016-08-25 13:18

金鶴泳のご友人の平山道子さんに会ってきました。

2016年8月9日(火曜日)に、西荻窪にお住まいの平山道子さんとお会いしてきました。平山さんは、故・金鶴泳の友人で、現在、西荻窪で「山崎ビリヤード」というお店を経営なさっておられます。同行者は、金鶴泳作品のフランス語版の翻訳をされる、ベルギー・ルーヴァン大学のアドリアン・カルボネ氏と、共同通信の阪堂博之記者です。
アドリアン・カルボネ氏から、翻訳をする上で、生前の金鶴泳を知っている方とお会いして、その人物像を聞き、翻訳の参考にしたいという要望が私にありましたので、私のほうから平山さんにお願いして実現した集まりです。
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平山さんは、西荻窪にある「たみ」という飲み屋さんで、金鶴泳に初めてお会いされました。いまから50年ほどまえ、ちょうど金鶴泳が「凍える口」で文芸賞を受賞した頃です。以降、死の直前までお付き合いは続きました。現在、82歳とのことでしたが、とてもお元気でした。いつまでもお元気で。

また、ビリヤード台の上には、金鶴泳の小説の単行本や文芸雑誌を並べていただき、本にまつわる話もいくつかいただきました。金鶴泳は、『統一日報』で「ポプラ」というタイトルで日々折々の営みを連載していたのですが、その何回かは平山さんのアイデアを使っていたというではないですか。「それじゃ、平山さんが書いたようなものですね」と水を向けると、「ほほほほ~」と笑っておられました。さて真実は如何に。
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そんな思い出話や金鶴泳論をお聞きすることができた楽しい時間でしたが、私にとっては、もう一つの特別に楽しい出来事がありました。それは、ビリヤード台に出していただいていた雑誌の中に『文藝』の1985年3月号があり、その号には金鶴泳の遺稿エッセイ「心はあじさいの花」が掲載されていたのですが、なんと、同じ号に、佐藤泰志の「鬼ガ島」も掲載されてるではないですか。ということは、佐藤泰志はこの号が手許に届いたときに、金鶴泳の遺稿を読んだかもしれないということです。その号の目次を見たときに、「あっ」という心の声が私には響きました。いや、絶対に読んでいるはずです。
そしてこの1985年に佐藤泰志は、「オーバー・フェンス」と「そこのみにて光輝く」を執筆しています。ともに映画化された秀逸です。
やはり、彼らはつながっています。こじつけだ、偶然だと言われるかもしれませんが、いや、つながっています。
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そして金鶴泳が亡くなったのは、1985年。佐藤泰志が亡くなったのは、1990年。ともに自死でした。
金鶴泳の思い出話を聞きにいったはずが、金鶴泳と佐藤泰志のつながりを発見する機会になるとは、不思議なことです。

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# by cranebook | 2016-08-23 17:30 | 刊行物関連